2012年11月アーカイブ

冬をどうして越すか。

2012年11月30日

 先日、庭の手入れをしていたら、松の中から、タマムシが出てきた、DSCN8048.JPGというより越冬するのに潜んでいたのだ。二人で松の葉を揉んでいたら、職人の晃が「おっ」と声をあげた。「なんや」と聞くと「こんなんいました」と手にタマムシを捕まえている。さっそく写真にとりました。それが右のタマムシです。名前を「ウバタマムシ」といい、結構レアーです。せっかく越冬しようと松の葉に潜り込んだけれど、むしるのでかわいそうだが引っ越してもらった。餌は松の葉らしいけれど松はむしったから、少ないよ。
 次の日は、蜂が出てきた。こいつはたぶん女王蜂、おなかには沢山の卵を抱えているんだろうな。この寒空に葉の中に隠れていた。剪定していて見つけたのでこいつも写真に収まってもらった。これは攻撃性の弱い「ヤマトアシナガバチ」だと思います。みんな寒い冬に向けて生き残りをかけて木に中に潜んでいる。啓蟄までは随分先はなしだが、小さな生きものは、じっと耐えてやがて必ず来DSCN8054.JPGる春に向けて静かに時の過ぎるのを待っているんだ。蜂だけれどもちろん殺していない、もしかしたら来年この庭を手入れするとき働き蜂に刺されるかもしれないが、そのときはそのときで、今は、冬を越すことがこの小さな生きものにとっては一番の試練だから、命をどう「つなぐ」かが問われているんだからね。
 

徳島の保育園

2012年11月27日

DSCN8020.JPG 2012年5月に園庭づくりをした保育園の枯れ保証に行った。園庭はすっかり冬景色に変わっていたが、樹木のほとんどは元気に育っていた。子どもたちの様子はというと、遊びほうけているとのことだ、運動量も増えたし、色んな生きものを発見して、遊んでいるという、はじめは保育士がその動きについて行けなくて、園庭が変わることで、体力的に随分違うことが実感出来たらしい。子ども達も思い切り遊ぶことで、昼寝もぐっすりするとのことだった。
この日は連休の間で、お弁当の日だったので子どもの数が少なく、遊んでいる姿は見られなかったが、先生から遊んでいる姿が想像できた。 珍しい園庭のようで、見学も数件あるようで、この保育園の四国の園庭が営業の一つになっているとうれしいですね。この園庭は主に3歳児までが遊ぶ空間として作りました。どんどん大きくなると子どもにとって、ここは園庭でなく森になるに違いない。保育内容もこの木が大きくなるにつれてどんどん変わるだろうと思う。実際京都の保育園でも子どもの様子から保育が変わってきている。ある程度の自然は子どもにとって、色んな事を教えてくれ、感じることができる。保育士もそこから学ぶ事が出てくる。保育は子どもの姿から学ぶ事が大事で、決して教科書通りには行かない事が実践出来るだろう。



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冬に向けて

2012年11月26日

百舌鳥のハヤニエ.JPG  左の写真を観て、「これは何だ」と思う人もまだ多い、カエルがひからびて木に刺さっている、まさかカエルが自ら刺さることはないし、人がした行いとは考えられない。この写真をみて、この地域には、水辺かまたは田圃があり、季節的には秋の終わり頃で、地域の近くには里山のようなところもある。そしてこれを行ったものは鳥の仕業だと思っているあなたは、自然観察力が鋭く、生きものをよく理解している方だと思う。
 実はこれは百舌鳥の「ハヤニエ」といって、秋の終わりの頃に百舌鳥が、カエル バッタ、カマキリ、ムカデなどを木に刺しておくいわゆる貯食行動なのです。百舌鳥は夏の暑いときは山の避暑地で過ごし、秋になり田圃や草原に生きものが大きくなった頃に山から下りてくる。そして、虫を捕まえて自分の縄張りに、こうして生きものを刺しておくのです。ついでにいうと冬の間も縄張りを作るのは百舌鳥とジョウビタキぐらいだと思います。
 百舌鳥といえば、サトウハチローの百舌鳥が枯れ木で鳴いているを思い出す。百舌鳥が鳴いている姿を見て、その当時どこにでもあった晩秋の里山をイメージでき、その景色に兄さがいない事を静かに伝えている、反戦と言うよりは非戦の歌かもしれない。百舌鳥は秋には欠かせない生きものなのかもしれない。
 このハヤニエは、徳島県の保育園で撮ったものです。先日枯れ保証にいったときに見つけて、保育園の先生にも伝えたところ、ムカデも刺さっているのを子どもが見つけてなにかなと思っていたとのことでした。

補足
百舌鳥の高鳴き七十五日という言葉もある、これは百舌鳥が山から下りてきて
高鳴きをして75日目に霜が降るといわれている、昔の人はこんな小さな鳥からも季節を感じて冬支度を始めていたんだ。

京北吉野山自然観察の森視察

2012年11月21日

DSCN7923.JPG日曜日に、京北にある自然観察森の視察にいきました。ここは地元の井本さんがなんと99年から、一人で定年退職後山に手を入れ始められて、「観察の森」を創られてきました。今回はNPOビオネットの里山事業のモデルということで見せて頂きました。山小屋から里山全体の地図作り、谷筋の水を引いて池を創り、尾根沿いの松の
整備など、険しい山を整備さていました。松茸再生にも力を入れておられて、再生に向けて日夜努力をしておられました。地元の学校を始め年間100回ほどの環境教育を実践されているとのことです。
京北は過疎ですが、森のようちえんや子どもたちのフィールドとして活用もできそうです。DSCN7925.JPG
 
人と自然との関わりが観られるところです、歴史的にも、材木を京都に川を輸送ルートとして使ってきた事もあり、伏状台杉があちこちに観られ自然の偉大さに立ちつくすばかりです。この台杉は一見の価値があります。

山の幸

2012年11月19日

DSCN7890.JPG11月に入り雨の日が多くなっている。保育園の園庭整備にいくと山の幸に巡りあう。春の果樹と違い秋の果樹はどことなくわびさびを感じる。といってもわびさびとは何かといわれると答えられないが、表現としてその言葉が似合う気がする。アケビ ザクロどちらも山ではなく保育園で採れたものだ。私の子どもが保育園に在園していたとき、ザクロは子どもたちの味覚と遊びの対象だった、アケビも学童で芋掘りにいくと、父ちゃん連中が子どもたちを引き連れて山に入りアケビをどっさり採ってきて、子どもたちのお腹に収まったものだ。今では私の子どもは山には行かなくなった。私は里山モニタリングで毎月山に入っている、そのおかげで調査対象の山にはアケビのなる場所は把握出来る。昔の人は毎日山に入っていたので、どこに何がどの季節にあるのかを把握していたんだろうな、とそんなことを考えながら秋の味覚をお腹に納めている。
 追伸 鬼子母神にお供えするザクロは三成のものをお供えします、三つの実が引っ付いているものです。これはなかなかないですよ。

巣箱づくり

2012年11月17日

DSCN7918.JPG本日(17日)宝ヶ池プレイパークにて巣箱作りが行われた。が、あいにくの大雨で参加者はなかった、仕方なく以前作った巣箱の修理と新しいのを作成した、2年前に作ったものは所々壊れていて修理することで来年もシジュウカラが入る期待が持てそうです。修理を初めて巣箱のあちこちに奇妙な卵が付いている、コカマキリのはわかったが写真のものがわからない、調べてみるとなんとヒメカマキリの卵だった、これは準絶滅危惧種にあるほどで、思わず写真を撮った、巣箱は鳥のためだけではなく、色んな生きもののDSCN7921.JPGゆりかごになっているようです。このことは補修しないとわからないことで とても大事な体験だったプレイパークは色んな体験ができる貴重な遊び場です。そういえば、森のようちえんの大会にも各地のプレイパークの世話人がきていましたね。

なめこ

2012年11月15日

今年も沢山のキノコが採れた、冬の間伐採などで出た木(クヌギ クルミ ヤナギ)を、2月頃に椎茸 ヒラタケ ナメコの菌を入れて栽培している、椎茸はここ数年購入したことがない。
しかし この椎茸作りは、自然との闘いなのだ、自然といってもはじDSCN7904.JPGめは、猿である、倉庫の奥に、ただ単に立てかけておいていると、初めは群れから離れた猿が一匹現れて明日採ろうと思っていたものを採っていった。 初めは「ま・いいか」なん考えていたら。今度は群れで現れて、保管していた、クヌギやスダジイを食べられておまけにオオカマキリの卵もかじられていいた。一度仕事の途中で忘れ物を取りに倉庫に行くと倉庫に数人の人影がある、おかしいなーと近づいてみるとなんと猿の群れだった、相手もあわてたがこちらも慌てた、それから柵をつけて入り口もつけた、猿にはあけられなかったが、次は人が入った、仕方なく入り口に[ほしい方は電話ください]、と張り紙をして書いたが電話はなく採られた(当然だろう) そこで、仕方なく鍵をつけた、近頃は柵の中はとられないが外に放置いてあるものは鹿が食べにきている、鹿は椎茸だけでなく、他の草も食べるので、ものの見事にポットに入れて栽培しているもの、地面に生えているもの容赦なしに食べ尽くす。出来れば地面の生えているものだけにしてほしい、ポットはいずれお金に換えたいと考えているので、冬が近づくと今度はイノシシがやってくる、こいつは畑の木の根を掘り起こし中のミミズを食べに来る、ミミズはあげるから出来たら掘ったところは戻しておいてほしい、おかげで今年はツバキが一本枯れてしまった。栽培とは、猿 人 鹿 そしてイノシシという自然との闘いのなかで初めて収穫出来る お金に替わるのである。(笑)

森のようちえん全国フォーラム2012in兵庫

2012年11月12日

先週の土・日曜日で兵庫県の尼崎市立美方高原自然の家にて開催された森のようちえん全国フォーラムに参加してきました。この大会は全国の森のようちえんが一同に集まり・年一度開催しているもので、関西圏では初めてということでした。私も、初めて参加したのですが、全国・北は北海道、南は沖縄からの参加で240名ほど参加していました。分科会も沢山あり、どこも盛況でした。私は「関西における森のようちえんの実践」「森のようちえんの運営と経営」「森のようちえん現状と課題」にでました。認可されているところが少ないほか経営もなかなか苦しいようで、運営の方の苦労がわかりました。そのような状態でも、子どもたちのために、自然を求めている大人や子どものために、奮闘されている方々には頭が下がります。また参加者の中には学生や小さい子どもを連れての参加が目立ちました。報告内容は、またの機会にお話しできればと思います。来年は神奈川の「県立あいかわ公園」での開催が決まったようです。
 すてきな出会いもありました。森のようちえんなのに、「園庭は遊びと学びと想像の宝箱」という、早朝オプションがあり参加しました。彼女はムッレの幼児教育を基本に行っているようです。今後つながりが出来ればいいですね。
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フジの蔓でリースを作る

2012年11月 9日

本日、手入れ先の保育園の剪定作業をしました。ここの保育園には、二階から非常用の滑り台が設置されていて その日よけにフジが覆っています。毎年剪定作業にはこのフジを切り落として、滑り台が明るくなります。作業をしていると、「おっちゃん何しているの」「木が寒くなっている」とあちこちから声がかかります。園庭に剪定したフジ蔓で年長の子どもたちがリースを編み始め、作業は一時中断、私も福島の子どもたちに贈るフジ蔓を編むことにしました。
なかなか思うようにリースが編めない子どもたちでしたが、何とか一人一つ編み終えて終了しました。このリースに散歩で捕ってきた木の実をつけてクリスマスのリースに仕上げるようです。DSCN7872.JPG

水戸の幼稚園

2012年11月 4日

先日、水戸の幼稚園の園庭の見学に行きました。この幼稚園は、私が書いた
「園庭大改造」の本をみて、初めて講演の電話があり、伺ったところです。幼稚園の職員 理事の方々に園庭のについての考え方をお話しして、基本設計までは私がして、施工は地元の業者にお願いしました。8月の夏休みに施工が行われ、本日施工後の園庭を見学に行きました。園庭は見事に変化して、子どもがこれから、生きものとふれあい、たくさんの不思議体験をしてほしいと思いました。園庭には水辺ビオトープがあり 築山の周りには雑木を配置して、小さな雑木林を作りました。樹木が大きくなるには数年かかりましが。その間に、教師も、子どもたちも少しずつ自然にふれあい、生きものの面白さに触れてほしいと思います。身近な生きものから、学ぶものはたくさんあります。来年の春から夏にかけての変化が楽しみです。関東に行くときは必ず顔を出して園庭の変化と子供たちの様子を伺いたいと思います。
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どんぐりを集めに

2012年11月 3日

本日京都宝ヶ池にどんぐりを集めに行きました。これは京都保育問題研究会の科学部会で福島の保育園にどんぐりを送る企画で、福島のこどもたちはまだ里山には遊びに行けないので、せめて秋を感じてもらうために 京都の里山でとれたどんぐりを送ることにしました。部会のメンバーで山を散策しながらどんぐりを探すのですが、これが何故か見つかりません。クヌギの木の下 コナラの木の下、落ちているのはどんぐりの帽子だけ、というのも実はこの宝ヶ池には鹿が降りてきていて、どんぐりはすべて彼らの胃の中に収まっているというということなのです。そこは科学部会、どんぐりがだめなら、帽子を紅葉している葉を、松ぼっくりをと、遊びになる素材を集め始めました。科学部会の特徴でもある自然観察、秋の木の実や鳥の観察はもちろん専門家がいるのでばっちりです。沢山集めたどんぐりや他に木の実、福島の子どもたちは遊んでくれるかなDSCN7863.JPG

ジブリ美術館見学

2日に、東京の三鷹にある、ジブリ美術館に見学に行きました。見学目的は。保育園の屋上の緑化をするにさいして園から依頼があり、副園長と設計士さんと三人で視察に行きました。 ジブリ美術館は2001年にできて 10年以上経つのですが、人気はすごいもので、平日なのに、10時開館には、大勢の入場を待つ行列ができました。樹木も建物も三鷹の森の中にとけこんでいます。建てたときは、なじまなかったと東京に住む友達がいっていましたが、建物周りの樹木 配置されている樹木、など京都の職人風にいえば、少し風格を持ってきているというところでしょう。
 外観もさることながら、建物の中の照明器具 ドアのノブ 窓 などはすばらしく、中でもすばらしいのはステンドガラスです。残念ながら館内の撮影は禁止されているのでありませんが、どれもジブリの世界を表現していて、宮崎ワールドそのものです。屋上は、土がだいぶ入っているようでした 屋上の植物は主にマキキノキ(イヌマキ)のトンネルがあったり、高木はキョウチクトウでした。保育園にはキョウチクトウはあまり向きませんが、夏はこのキョウチクトウが花を咲かせて朝夕には虫たちもやって来るのだと思います。ススキが穂を出していて、秋を感じる空間でした。所々に実生のクヌギが生ました、見上げると三鷹の森の大きなクヌギがみえて、このどんぐりを生きものが運んだのか、大風が吹いたときに転がったのか、でも本当は三鷹の森のトトロが蒔いたのだと思います。。屋上にオンブバッタが一匹いたのですが、この建物は壁面緑化がしてあり、オオイタビ ヘデラ ナツズタ などが配置されていました。壁面がこの植物たちで覆われる日も近いと思います。そうなるとこの建物はまさに森の中にとけこんで、三鷹の森にとけこんでいくことでしょう。写真は屋上のロボット兵、違和感なく立っているのが不思議です。DSCN7841.JPG

朝夕の温度差が大きくなりました。

2012年11月 1日

秋を感じる
朝夕の温度差が大きくなり、体調管理も大事な時期になりました。身近な生きものたちも冬を越すものがいます、冬越しを単独でするものもいれば集団でするもの(集合時間と場所はどのように決めているのでしょうか?)がいます。また冬を越せずに短い命を閉じるものもいます。子孫をどのような形で次に残すのかそれは生物すべてが大事にして生きていることではないでしょうか。
秋本番(落ち葉はゴミではありません)
紅葉がはじまりかけています。例年紅葉の見頃はやはり11月の中旬から下旬にかけアサギマダラ.jpgてだと思います。今年は少し遅れていると聞きましたがどうでしょうか。
 紅葉は単に葉を落とすということでなく、日本の四季を演出するための大事 ものだと思います。葉を落とし 木枯らしが吹き始めると、何故かもの悲しい 気分になるのが、日本の四季のいいところです。まして京都に住んでいると三 山の紅葉で京都が囲まれて来るので、やはりいいものです。科学的には紅葉 葉に糖分が残り、葉の葉緑素(クリリフィル)の組織が分解して起こるのです が、そんな理屈ぽい話をしていたら、紅葉は楽しめません。五感を使い、紅葉 を楽しみむのが一番大事だと思います。「感じることは知ること半分も重要で ない」という言葉がありますが、まさしく紅葉を感じてください。
冬鳥到来
 市街地に百舌鳥が戻ってきたり、冬鳥のジョウビタキが例年通り姿を見るといよいよ晩秋になります。加茂川に冬の使者「ユリカモメ」がやって来るのは11月下旬だと思います。季節を感じる方法は、沢山あります。
コンクリートジャングルではない、団地の中の季節をDSCN7711.JPG探しに出かけて見ませんか。
今年の9月から10月上旬の雨が少なく、夏の暑さを乗り切った樹木にはなかなか恵みの雨はないようです。 
写真はアサギマダラです。渡りをする蝶で秋はフジバカマに来ます。右下は、冬を越せないキリギリス、晩秋の非日差しをたっぷり身体にしみこませていました。