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冬に向けて

2012年11月26日 17:11

百舌鳥のハヤニエ.JPG  左の写真を観て、「これは何だ」と思う人もまだ多い、カエルがひからびて木に刺さっている、まさかカエルが自ら刺さることはないし、人がした行いとは考えられない。この写真をみて、この地域には、水辺かまたは田圃があり、季節的には秋の終わり頃で、地域の近くには里山のようなところもある。そしてこれを行ったものは鳥の仕業だと思っているあなたは、自然観察力が鋭く、生きものをよく理解している方だと思う。
 実はこれは百舌鳥の「ハヤニエ」といって、秋の終わりの頃に百舌鳥が、カエル バッタ、カマキリ、ムカデなどを木に刺しておくいわゆる貯食行動なのです。百舌鳥は夏の暑いときは山の避暑地で過ごし、秋になり田圃や草原に生きものが大きくなった頃に山から下りてくる。そして、虫を捕まえて自分の縄張りに、こうして生きものを刺しておくのです。ついでにいうと冬の間も縄張りを作るのは百舌鳥とジョウビタキぐらいだと思います。
 百舌鳥といえば、サトウハチローの百舌鳥が枯れ木で鳴いているを思い出す。百舌鳥が鳴いている姿を見て、その当時どこにでもあった晩秋の里山をイメージでき、その景色に兄さがいない事を静かに伝えている、反戦と言うよりは非戦の歌かもしれない。百舌鳥は秋には欠かせない生きものなのかもしれない。
 このハヤニエは、徳島県の保育園で撮ったものです。先日枯れ保証にいったときに見つけて、保育園の先生にも伝えたところ、ムカデも刺さっているのを子どもが見つけてなにかなと思っていたとのことでした。

補足
百舌鳥の高鳴き七十五日という言葉もある、これは百舌鳥が山から下りてきて
高鳴きをして75日目に霜が降るといわれている、昔の人はこんな小さな鳥からも季節を感じて冬支度を始めていたんだ。